呼び出す神

これは、主が預言者を通して、「わたしがエジプトから、わたしの子を呼び出した」と言われた事が成就するためであった。(マタイ2:15)


 東方の博士たちが、星に先導され幼子イエス・キリストのもとにたどり着き、高価な贈り物とともに礼拝をささげたのち、夢でヘロデのところへ戻るなという戒めを受け、別の道から自分の国へ帰路につく。またイエスの父ヨセフには、主の使いが夢に現れてエジプトへ逃げるように告げる。やがてヘロデの死後、主はまた夢でエジプトのヨセフにイスラエルに戻るように語り、そこでさらに夢で戒めを受けたヨセフはガリラヤ地方に移り住んだ。

 マタイは「これは……成就するためであった」と旧約聖書のメシア預言はイエス・キリストの到来によって成就したことを強調する。主のことばに従った人々によって、主の救いの計画は成就していく。細く小さい声だといわれる主の声を聞きわけるために、心を神様に向けて聖書を読み、主のみこころを正しく知る必要がある。

 「わたしがエジプトから、わたしの子を呼び出した」──これは、出エジプト記の出来事を記したホセア11章のことば。イスラエルの民がエジプトで奴隷とされていたとき、神がモーセという指導者を立てて民を率いてエジプトから脱出した出来事は、エジプトに逃れたイエス・キリストを再びイスラエルに連れ戻すこと、さらには、神はイエス・キリストを立てて、罪の奴隷となっている人類を解放してくださることの予型なのである。神は私たちにも「わたしの子」と呼びかけ神のもとにいつでも立ち返るように求めておられる、

 いつも主の呼びかける声に耳を澄まし、応答できる者でありたい。