ルツの従順

聖書のことば

私におっしゃることはみないたします。(ルツ3:5)

 

 ナオミは、ルツがはからずも親戚のボアズと出会い、ボアズがルツにひとかたならい親切をほどこすのを見て、そこに神の配慮・導きがあるのではと思ったのかもしれない。「あなたがしあわせになるために」と言って、ルツに、夜、晴れ着を着てボアズのもとに行き、求婚するように促す。ボアズは、ナオミの夫の土地を買い戻す権利のある親類であった。ルツはそのとおりに行う。ボアズは、自分よりももっと近い買い戻しの権利のある親類が、もし、その役目を果たさないと言ったなら、自分があなたを買い戻すことを約束する。

 ルツは「私におっしゃることはみないたします」と命ずるままにした姿は、「ほんとうに、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように。」 (ルカの福音書1章38節より)と、神のことばに従ったイエスの母マリヤを想起させる。このマリヤの従順な信仰なしには、イエス・キリストは誕生しなかった。そしてまた、このルツの従順がなければ、後に新約聖書のイエス・キリストの系図にルツとボアズの名が記されることもなかったのである。

 神のみこころがこの身になるようにという人間の従順に神のみわざが現れる。神のことばに従順に従ったとき、主の救いのみわざが進んでいく。主の前に畏れつつ従順な者となりたい。