あの方は盛んになり

あの方は盛んになり私は衰えなければなりません。(ヨハネ3:30)

 

バプテスマのヨハネは「ただ光(キリスト)についてあかしするため」「神から遣わされた」(1:6,7)というはっきりとした使命感を持っていた。自らを「『主の道をまっすぐにせよ』と荒野で叫んでいる者の声」であるという自己紹介の通り、キリストという、人々が神にまっすぐに向かることのできる「道」を人々に示していた。やがて人々がイエス・キリストのバプテスマを受けに行ってしまうことに対抗心を燃やした弟子たちをいさめ、自らを花婿の友人にたとえ、「花婿のことばに耳を傾けているその友人は、花婿の声を聞いて大いに喜びます。それで、私もその喜びで満たされているのです」(3:29)と語り、神と人間の関係が築かれることを何よりの喜びとしている。「 あの方は盛んになり私は衰えなければなりません」(30)と、彼にとっての最大の願いは、ただキリストが栄え、キリストが鮮やかにあらわされることだと語る。神がくださる使命に生きるとき、私たちの人生は、まことの喜びに満ちたものとなる。